クリスマス・イン・トウキョウ 2017

オペラや名歌に包まれる至福の時間

 師走に「クリスマス」と名の付くコンサートは数多あれど、12月22日に、サントリーホールで行われる公演は別格といえるかもしれない。ラグジュアリーな雰囲気に包まれた会場に新世代を代表する若きスター歌手たちが集結し、季節イべントを超えたオペラ・ファン大注目の極上ガラ・コンサートになる予感がする。
 先ずは美貌のソプラノ、マリーナ・モンツォ。スペイン生まれの彼女は昨年舞台デビューを果たしたばかりだが、今季もペーザロのロッシーニ音楽祭やナポリ・サンカルロ歌劇場などに出演。あの世界的人気テノールのJ.D.フローレスにもお墨付きをもらった美声で《リゴレット》の〈慕わしい人の名は〉を披露してくれる。続いては昨年、新国立劇場《ウェルテル》での表題役やマリインスキー・オペラ《エフゲニー・オネーギン》のレンスキー役を好演し日本でもファンを増やしたテノール、ディミトリー・コルチャック。《愛の妙薬》の甘く切ない〈人知れぬ涙〉が楽しみだ。更にはフランスが生んだバスバリトンの貴公子エドウィン・クロスリー=マーサーも登場。2015年の「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」での《ベアトリスとベネディクト》でもオペラ・ファンの注目を集めた彼。《フィガロの結婚》の〈もう飛ぶまいぞこの蝶々〉で魅せてくれるはず。もちろんソロだけでなく各種二重唱や、当然クリスマスのメロディも盛り沢山。英国ロイヤル・オペラでA.パッパーノに学んだミケーレ・ガンバの指揮と東京交響楽団の演奏も楽しみだ。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2017年12月号より)

2017.12/22(金)19:00 サントリーホール
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 
http://www.japanarts.co.jp/