クァルテット・ウィークエンド クァルテット・エクセルシオ アラウンド・モーツァルト vol.2

モーツァルトが愛したクラリネットの“歌”と“音色”

 日本では珍しい常設の弦楽四重奏団として活躍するクァルテット・エクセルシオが、モーツァルトの作品を軸に、その“周辺”にも目を向け、室内楽の魅力を掘り下げるシリーズ『アラウンド・モーツァルト』。第2弾では、クラリネットの澤村康恵を迎えて、傑作「クラリネット五重奏曲」を取り上げる。
 モーツァルトは、親友のクラリネットの名手、アントン・シュタードラーのため、この五重奏曲や協奏曲を創作。「この出逢いが無ければ、名曲は生まれなかった。今、オーケストラにクラリネットがあるのも、この作品あってこそ」と澤村は断言。「特に美しい第2楽章は、何度演奏しても飽きない」と、ヴァイオリンの山田百子も言う。
 ステージは、ウィーン楽友協会蔵の弦楽四重奏版の楽譜に基づく《フィガロの結婚》序曲でスタート。弦楽四重奏曲第17番「狩」や、モーツァルトの影響を受けて書かれたともされるシューベルトの同第6番に、シュタードラーの二重奏曲第1番(クラリネットとヴィオラ版)も添えられる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2017年3月号から)

3/12(日)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
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