世界が認めるデュオの魅力に浸る
デュオはもちろん、それぞれのソロでも「国際音楽コンクール世界連盟WFIMC」加盟のコンクールで入賞している、中井恒仁&武田美和子ピアノデュオ。これは日本で唯一であり、世界でも大変稀なこと。実力を幾重にも保証されていると言えよう。共に東京芸術大学、ミュンヘン音楽大学大学院を修了。更にザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学にて研鑽を積んだ彼らは「マレー・ドラノフ国際2台ピアノコンクール(USA)」第4位入賞を果たしたことを契機にデュオで国際的な演奏活動を開始。近年では、フランス・ボルドー音楽祭に出演し、ドイツでもリサイタルツアーを行ったが、「ナイトの称号を与えるべき音楽芸術」と新聞紙上で絶賛されるなど、欧州でもその評価は高い。
この世界的なデュオが、11月にリサイタルを開催。2台ピアノのレパートリーとして最高峰に位置するラフマニノフの「組曲第2番」を中心に、中井、武田それぞれがソロでラフマニノフのソナタ第2番、プロコフィエフのソナタ第7番も演奏するという、かなり豪華で濃厚なプログラムとなっている。
また、二人は今年の8月にドヴォルザークの「交響曲第9番『新世界より』」と「スラヴ舞曲」を収めた連弾のCDも発売し、精緻かつ緊密なアンサンブル、華麗な技巧を楽しませてくれたばかり。
ソロ、2台ピアノ、連弾と、ピアノ演奏全般のエキスパートであるデュオに注目だ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ 2016年11月号から)
11/16(水)19:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
http://www.proarte.co.jp
CD
『ドヴォルザーク:新世界より&スラヴ舞曲集』
T&Kエンタテインメント
QACK-30009
¥2857+税