無伴奏の傑作群とじっくり対峙する
“奇跡の音響”と称される東京文化会館小ホールで、一流アーティストによる名演で贅沢な時間を過ごす『プラチナ・シリーズ』。非の打ちどころのないテクニックと魅力的な響き、そして深淵な音楽性を併せ持ち、「驚くべき天才」と絶賛されているロシア出身のチェリスト、タチアナ・ヴァシリエヴァが、今年度の同シリーズ第4弾のステージに登場する。
1994年にミュンヘンで第2位、2001年にロストロポーヴィチで第1位と難関の国際コンクールで実績を重ね、05年にはフランス音楽大賞“海外の新人”賞を受賞、国際的な評価を確固たるものに。サンクトペテルブルク・フィルやパリ管など第一線オーケストラとの共演も数多く、室内楽でもヴィオラのユーリ・バシュメットら巨匠たちと次々に共演している。
今回のステージは、無伴奏の“傑作の森”に挑む。まずは、09年に発表した録音でも、大胆で骨太な解釈が話題となった、バッハのチェロ組曲から第1番と第5番を。さらに、コダーイの名ソナタに、じっくり対峙する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年10月号から)
11/2(水)19:00 東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp