喜劇オペラからシンフォニーコンサートまで充実の公演が目白押し
数多くの文化人が居住し、芸術団体や芸術系教育機関が軒を連ね、ホールなどもある川崎市北部の新百合ヶ丘駅周辺の恵まれた立地条件を背景に、2009年の黄金週間から毎年開催を続けているこの芸術祭。
8回目を迎えた今年も、クラシック音楽やバレエはもとより、演劇・ミュージカル・ジャズなど、各界のトップアーティストが「しんゆり」に集結し、4月23日〜5月8日までの16日間に33演目45公演が行われる。
中でも目玉となるのがオープニング公演である、藤原歌劇団によるベルカント・オペラの傑作、ドニゼッティの《愛の妙薬》だろう。おきゃんなヒロイン・アディーナ役(ソプラノ)に高橋薫子/光岡暁恵、内気な主人公ネモリーノ役(テノール)に村上敏明/宮里直樹、惚れ薬を扱う旅の怪しい薬売りドゥルカマーラ役(バリトン)に谷友博/田中大揮と、それぞれ同歌劇団の現在・未来を担う逸材をダブル・キャストで配置。指揮は昨年トリエステのヴェルディ歌劇場でこの作品を振って好評を博したばかりの園田隆一郎、演出も本作で1997年にデビューした粟國淳が担当と万全。会場となる昭和音楽大学が誇るテアトロ・ジーリオ・ショウワが馬蹄形の本格的なオペラハウスだけに、まるで欧州の名門歌劇場にいるような雰囲気が楽しめるはずだ。
一方、フィナーレを飾るのは飯守泰次郎指揮・東京交響楽団の演奏会。ワーグナー、メンデルスゾーン、ブラームスとドイツ音楽を代表する3人の作曲家の代表作を取り揃えており、こちらも聴き逃せない。
文:東端哲也
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年4月号から)
藤原歌劇団《愛の妙薬》 4/23(土)、4/24(日)各日14:00
東京交響楽団 演奏会 5/8(日)14:00
昭和音楽大学 テアトロ・ジーリオ・ショウワ
問:アルテリッカチケットセンター044-955-3100
http://www.artericca-shinyuri.com
※芸術祭の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。