
クラシカル・ギターに詳しい方なら、この“饗宴”に参加するメンバーの顔ぶれを見て「オー!」と心のなかで叫んだに違いない。まさに日本を代表するギタリスト、鈴木大介、大萩康司、村治奏一、朴葵姫の4人が集う。クラシカル・ギターの多彩な魅力が感じ取れるコンサートになるだろう。演奏予定曲目にはタレガの名作「アルハンブラの想い出」をはじめとして、ビゼー(カネンガイザー編曲)の「ギター四重奏のためのカルメン組曲より」といった名曲が並ぶ。ボッケリーニ「序奏とファンダンゴ」、ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」なども含まれているが、このメンバーのアンサンブルで演奏されるとなると、凄腕ギタリストたちによる共演が楽しみなラインナップだ。
日本のギター界は本当に才能あふれるギタリストが多く、それぞれが個性的な活動を展開しているため、複数の奏者が集まるコンサートというのは意外と少ないように思える。だからこそ、今回のような共演のチャンスは聴き逃せない訳だ。同時に、これまでに共演する機会もあったメンバーが集まるので、息のあったアンサンブルを聴かせてくれることに期待が高まる。複数のギタリストが参加することによって、それぞれのギターの音色の特徴も分かりやすくなるはず。特定のアーティストのファンという方も多いだろうが、今回はこのコンサートに出かけて、一期一会ともいえる豪華なギター・アンサンブルの魅力を、ソロ演奏と共に楽しんでいただきたいと思う。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2026年11月号より)
ギタリストたちの饗宴
2026.12/10(木)19:00 大田区民ホール・アプリコ
問 大田区文化振興協会03-3750-1555
https://www.ota-bunka.or.jp

片桐卓也 Takuya Katagiri
1956年8月、福島県生まれ。早稲田大学在学中からフリーランスとして仕事を始め、映画、旅、自動車などの雑誌に関わる。1990年ごろから本格的にクラシック音楽関係の取材を始め、音楽雑誌に寄稿している。他に、コンサートの曲目解説、録音のライナーノーツの執筆なども多数。余裕があれば、バロック期のオペラを聴きにヨーロッパへ出かけている。趣味は都会の廃墟探訪。
