【CD】ブロックフレーテ・ソナタアルバム/山岡重治&小林道夫&宇田川貞夫

日本の古楽演奏史の埋もれていた宝が蘇った。リコーダー奏者・楽器製作者として大きな役割を果たし、先日逝去した山岡重治の追悼盤。1973年、創設間もないALMレーベルにて録音、レコード番号「2」を与えられたLPの復刻だ。共演は小林道夫に宇田川貞夫という歴史的顔ぶれ。22歳の山岡の演奏はすでに当時最先端の古楽演奏の空気を呼吸しており、冒頭のヘンデルから伸びやかで瑞々しい。現代の古楽演奏はより精度が上がりテンポやリズムも柔軟かもしれないが、一音一音に込められた清新の気が尊いのだ。バッハのフルート・ソナタBWV1030のリコーダー演奏は果敢な挑戦。襟を正して聴こう。
文:矢澤孝樹
(ぶらあぼ2026年5月号より)

【information】
CD『ブロックフレーテ・ソナタアルバム/山岡重治&小林道夫&宇田川貞夫』

ヘンデル:ブロックフレーテと通奏低音のためのソナタ HWV365,HWV369/テレマン:ブロックフレーテと通奏低音のためのソナタ TWV41:F2,TWV41:d4/J.S.バッハ:フルート・ソナタ第1番 BWV1030

山岡重治(ブロックフレーテ)
小林道夫(チェンバロ)
宇田川貞夫(ヴィオラ・ダ・ガンバ)

コジマ録音
AML-2 ¥2750(税込)


矢澤孝樹 Takaki Yazawa

1969年山梨県塩山市(現・甲州市)生。慶應義塾大学文学部卒。水戸芸術館音楽部門主任学芸員を経て現在ニューロン製菓(株)及び(株)アンデ代表取締役社長。並行して音楽評論活動を行い、『レコード芸術online』『音楽の友』『モーストリークラシック』『ぶらあぼ』『CDジャーナル』にレギュラー執筆。朝日新聞クラシックCD評選者および執筆者。CD及び演奏会解説多数。著書に『マタイ受難曲』(音楽之友社)。ほか共著多数。