チェリスト海野幹雄が5月にリサイタル 〜ブラームスに日本の響きを重ねて

©Hideki Shiozawa

 コツコツと自主リサイタルを積み上げて来た海野幹雄は、2024年からはサントリーホール・ブルーローズを会場に、「西洋と東洋の融合」というタイトルでリサイタルを開催。第1回ではロマン派の音楽と武満徹「オリオン」を、第2回では倉田高、黛敏郎の作品にベートーヴェンとショパンなどを組み合わせた。ピアノは夫人の海野春絵だが、単に呼吸の合ったデュオというだけではなく、それぞれの音楽的個性も主張しつつ、西洋と東洋の音を紡ぐ。昨年のショパンのチェロ・ソナタはその見事な例だった。

 第3回目となる2026年はブラームスの2つのチェロ・ソナタに加え、三善晃、新垣隆、そして笠松泰洋への委嘱新作「青海波幻影〜独奏チェロの為の」(世界初演)を並べた意欲的なプログラム。がっしりとした構築のブラームスの世界と、おそらくより自由な現代日本人作曲家の世界がひとつの時間の中でどう響き合うのか、その過程をじっくり楽しみたいコンサートだ。

文:片桐卓也

(ぶらあぼ2026年4月号より)

海野幹雄チェロ・リサイタル2026 〜西洋と東洋の融合Vol.3〜
2026.5/31(日)14:00 サントリーホール ブルーローズ(小)
問:新演コンサート03-6384-2498 
https://www.shin-en.jp


片桐卓也 Takuya Katagiri

1956年8月、福島県生まれ。早稲田大学在学中からフリーランスとして仕事を始め、映画、旅、自動車などの雑誌に関わる。1990年ごろから本格的にクラシック音楽関係の取材を始め、音楽雑誌に寄稿している。他に、コンサートの曲目解説、録音のライナーノーツの執筆なども多数。余裕があれば、バロック期のオペラを聴きにヨーロッパへ出かけている。趣味は都会の廃墟探訪。