
港町・横浜に陽春の賑わいが訪れる4月。横浜みなとみらいホール大ホールで、現代を代表する名手でパリのノートルダム大聖堂の首席オルガン奏者、オリヴィエ・ラトリーを迎えたリサイタルが開催される。同ホールのオルガンは「Lucy(ルーシー)」の名で親しまれてきた世界に誇る名器だ。フランス出身のラトリーはすぐれた技巧と卓越した響きのセンスを通じて、オルガン音楽の魅力を伝えてきた奏者。今回はバッハ、そしてフランス近現代音楽の系譜をたどるプログラムが組まれた。
バッハの「シャコンヌ」(メスレー編曲)では、壮麗なバロック建築のような見事な音響が導かれることだろう。さらにヴィドールのオルガン交響曲「ゴシック」やアランの「連祷」、デュリュフレの「アランの名による前奏曲とフーガ」など、近現代のフランスのオルガン名作を聴くことができるのも嬉しい。プログラムの締めくくりは華麗な即興演奏である。ラトリーがどんな妙技を披露するか、乞うご期待だ。
文:伊藤制子
(ぶらあぼ2026年4月号より)
横浜みなとみらいホール オルガン・リサイタル・シリーズ49 オリヴィエ・ラトリー オルガン・リサイタル
2026.4/29(水・祝)14:00 横浜みなとみらいホール
問:横浜みなとみらいホールチケットセンター045-682-2000
https://yokohama-minatomiraihall.jp

伊藤制子 Seiko Ito(音楽学・音楽評論)
東京藝大、同大大学院修了。現在、東邦音大・同大学院、静岡文化芸大、日大講師。日仏の20世紀以後の音楽、音楽美学を研究するかたわら、音楽評論、海外オペラ取材なども行う。2017年のモンテヴェルディ生誕450年イヤーにヴェネツィアのフェニーチェ歌劇場のモンテヴェルディ三部作の上演を取材。音楽以外のライフワークは旅と俳句。奈良、ヴェネツィアなどで史跡を探索するのが趣味。
