スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハ──
5台の名器で繰り広げる、ピアノ・ツィルクス圧巻のステージ!

上段左より:白石光隆 ©Shouhei Yokoyama/田村 緑 ©Shigeto lmura/中川賢一 ©Shuhei NEZU
下段:デュエットゥ かなえ&ゆかり

 白石光隆と田村緑、中川賢一、デュエットゥ かなえ&ゆかりという日本を代表するソリストやアンサンブルピアニストたちによる「ピアノ・ツィルクス」(ツィルクスはドイツ語でサーカスの意)。単発のコンサート企画から生まれたユニットだが、その人気から継続的な活動が行われており、2024年にはCDもリリース。それぞれが卓越した奏者だからこその華やかなサウンド、スケールの大きさ、そして幅広い表現力によりあらゆるレパートリーを魅力的に奏でている。

 5名のピアニストによるアンサンブルはそもそもピアノが5台なければ実現できないという制約があるが、今回の会場となる愛知県芸術劇場は多数のピアノを所有しており、その中からスタインウェイ、ベーゼンドルファー、ヤマハのフル・コンサート・グランドピアノ計5台を使用。まさにこの豪華な共演を実現する環境として最高の場所である。

 ピアノは1台でもオーケストラに匹敵するサウンドを奏でられるが、それが5台集うからこその迫力、色彩の豊かさを最大限に活かせる楽曲がセレクトされている。ホルストの「木星」やガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」などおなじみの楽曲がどのような輝きを見せてくれるか期待が膨らむ。また愛知県芸術劇場は現代音楽の普及に力を入れていることから、M.カールソンの「Ragtime for Five Pianos」(2017)も演奏される(日本初演)。スタイリッシュな響きとリズムの面白さが際立つ楽曲は奏者たちの魅力を最大限に引き立ててくれることであろう。

 ピアノが5台並び繰り広げられる圧巻のステージ、ぜひこの機会に堪能してほしい。

文:長井進之介

(ぶらあぼ2026年3月号より)

ピアノ・ツィルクス〜5台ピアノの世界 in 愛知県芸術劇場
2026.3/7(土)15:00 愛知県芸術劇場 コンサートホール
問:愛知県芸術劇場052-211-7552 
https://www-stage.aac.pref.aichi.jp


長井進之介 Shinnosuke Nagai

国立音楽大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学に交換留学。アンサンブルを中心にコンサートやレコーディングを行っており、2007年度〈柴田南雄音楽評論賞〉奨励賞受賞(史上最年少)を機に音楽ライターとして活動を開始。現在、群馬大学共同教育学部音楽教育講座非常勤講師、国立音楽大学大学院伴奏助手、インターネットラジオ「OTTAVA」プレゼンターも務める。
X(旧Twitter) https://x.com/Shinno1102
Instagram https://www.instagram.com/shinno_pf/