高田泰治のバッハ・チェンバロ曲集第2弾。「イタリア協奏曲」は、華麗な技巧が随所で輝いている。緩徐楽章はカラッと晴れたイタリアの空を想わせ、一方で内面性も感じさせる。溌溂とした終曲もいい。「半音階的幻想曲とフーガ」では、走句のスピード感とリズムの切れ味が爽やかで、厳しい響きが胸に刺さる。フーガの自在な声部書法の描き分けも見事だ。「フランス風序曲」は、冒頭の付点リズムの序奏とフーガの声部交替の対照や、舞曲楽章の中間部でのリュート・ストップの柔らかい音色による主部との対比など、面白い工夫がヴィルトゥオーゾの技巧の中に散りばめられる。味わい深いバッハだ。
文:横原千史
(ぶらあぼ2026年3月号より)
【information】
CD『J.S.バッハ チェンバロ・アルバム Vol.2/高田泰治』
J.S.バッハ:イタリア協奏曲、半音階的幻想曲とフーガ、フランス風序曲
高田泰治(チェンバロ)
ナミ・レコード
WWCC-8045 ¥3300(税込)


