ホール・アドバイザー 小川典子企画 Noriko’s Day Vol.3

ピアノの魅力がはじける1日


 10月31日、ミューザ川崎シンフォニーホールのホール・アドバイザーであるピアニストの小川典子が、今年も同ホールをまる1日使って『Noriko’s Day』を開催する。小川の出演するコンサートが朝、昼、夕にひらかれ、それぞれまったく違った内容となっている。
 「モーニング・コンサート」では、ジャズ・ピアニストの国府弘子をゲストに迎え、2人でジャズのスタンダード・ナンバーやオリジナル曲を弾く。「アフタヌーン・コンサート」では公開マスタークラス(10/25)の4人の受講生によるショパンのバラードのあと、小川のリサイタルとなり、ショパンの「英雄ポロネーズ」、ラヴェルの「クープランの墓」、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」、プロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番を演奏。
 そして「イブニング・コンサート」は現代の音楽。まず、スティーブン・ハフ、吉松隆ら6人の作曲家による連作「ラフマニノフの墓」が小川典子によって日本初演される。そのあと、ケージ作品でプリペアード・ピアノ(ピアノの弦に金属、ゴム、木などを挟んで独特の音響を生み出す)の演奏も披露する。続いて、大竹紀子も加わって、菅野由弘のプリペアード・ピアノ連弾と2台のトイ・ピアノのための新作「Cat in the Box(猫はしばしば箱に潜る)」を世界初演。そして最後は、菅野の「光の残像Ⅲ『天使の梯子』」を作曲者のコンピュータ演奏とともに弾く。小川の地元・川崎で、彼女の多彩な魅力を満喫する1日を過ごしてみてはいかがだろう。
文:山田治生
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)

10/31(土) ミューザ川崎シンフォニーホール 11:00 モーニング・コンサート
14:00 アフタヌーン・コンサート 18:00 イブニング・コンサート
問:ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
http://www.kawasaki-sym-hall.jp