アレクサンダー・コブリンが12月に来日ツアー、深みを増すピアニズムを堪能

©Alyona Vogelmann

 1980年モスクワ生まれ。グネーシン音楽学校でタチアナ・ゼリクマン、モスクワ音楽院にてレフ・ナウモフに師事し、2005年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール優勝など、名だたる入賞歴を誇るアレクサンダー・コブリン。現在はアメリカの音楽学校にて教鞭をとり、多くの国際コンクールの審査員も務める権威だが、ナウモフの師でロシアン・ピアニズムの大潮流を築いたゲンリフ・ネイガウス(1888-1964)に繋がる、輝かしさと雄々しさをたたえたロマンティックな響きはさらに磨きがかかってきた。

 今回の来日ツアー、東京近郊では国分寺と海老名でリサイタルを開催。ショパンのバラードやシューマン「クライスレリアーナ」にも期待大だが、プログラムの中心となるのは2023〜24年に全曲録音を完成させたばかりというベートーヴェンのピアノ・ソナタから、中期の締めとなる第27番。また全6曲からなるシューベルト「楽興の時」のうち、“ロシア風の唄”としてよく知られた第3曲なども楽しみにしたい。

文:東端哲也

(ぶらあぼ2025年11月号より)

アレクサンダー・コブリン ピアノ・リサイタル
2025.12/13(土)14:00 国分寺市立いずみホール
問:国分寺市立いずみホール042-323-1491
https://www.kokubunji-izumihall.jp

2025.12/21(日)14:00 海老名市文化会館(小)
問:海老名市文化会館046-232-3231 
https://www.ebina-bunka.jp
※公演によりプログラムは異なります。詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。