成田達輝&萩原麻未、音楽で結ばれたふたりが第一生命ホール「ごほうびクラシック」に初登場!

左:成田達輝 ©Marco Borggreve
右:萩原麻未 ©Marco Borggreve

 週末の午後を一流アーティストの演奏で過ごす、第一生命ホール「ごほうびクラシック」。11月はヴァイオリンとピアノのデュオで、成田達輝と萩原麻未が登場する。公私のパートナーとしてさまざまに充実の度を深めている彼らが、バランスよく筋の通った流れによる小品集で、ぜいたくな時間を贈る。

 ヴィエニャフスキ「華麗なるポロネーズ第1番」で鮮烈に開幕したのち、エルガー「愛のあいさつ」、クライスラー「シンコペーション」「美しきロスマリン」とディライトな小曲が並ぶ。そしてテレビCM等でもおなじみのドヴォルザーク「4つのロマンティックな小品 第1曲」の旋律美に癒されてから、そのメロディが使われるクライスラー「ドヴォルザークの主題によるスラヴ幻想曲」を楽しむ。民俗的なムードも残るなか、ラヴェル「ツィガーヌ」で超絶技巧とロマの情熱を堪能。続いて渋谷慶一郎「On the Edge for Violin and Piano」、エイミー・ビーチ「ロマンス」を。ビーチはアメリカで最初に成功した女性作曲家といわれ、近年再評価が進んでいる。「ロマンス」は伸びやかでどこか切ない旋律に心洗われる名品で、成田と萩原のいまの思いを伝えるかのよう。最後はサラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」で、再びロマの世界とヴァイオリンの技巧に包まれ、華やかに幕を閉じる。

 民俗性あふれる有名曲を要所におき、心地よい楽曲を間に配する。気楽に楽しめながら、流れにストーリーも感じさせる絶妙なプログラムで、成田と萩原の美音と名技にひたる。

文:林 昌英

(ぶらあぼ2025年9月号より)

ごほうびクラシック 第15回 成田達輝 & 萩原麻未 ヴァイオリン & ピアノ デュオ・リサイタル
2025.11/1(土)14:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702 
https://www.triton-arts.net