デュオとして初CDをリリースする笹沼樹さん&上田晴子さんにインタビュー

 先日、チェリストの笹沼樹さんとピアニストの上田晴子さんが、取材のために忙しい合間をぬって編集部を来訪。この日のインタビューのテーマは、お二人が8月にリリースする新譜CD『夜と光の出会うところ』(コジマ録音)について。

Haruko Ueda

 上田さんと言えば、ジャン=ジャック・カントロフ(パパ)、オーギュスタン・デュメイなど名だたる演奏家との共演で知られ、パリ国立高等音楽院(CNSM)の室内楽科教授・ピアノ科准教授として、あのアレクサンドル・カントロフ(息子)や務川慧悟さんをはじめ、多くの後進の指導にあたってきた、優れた教育者でもあります。一方の笹沼さんも、やはりパリのエコール・ノルマル音楽院などで学んだ実力派若手チェリストの筆頭格。まったく異なる世代ながら、近年デュオとしての演奏機会の多いお二人ですが、2019年にクインテットで共演した際に、お互いに「ピンと来ちゃった」とのこと。試しに一度本番をやってみたところ、初めてとは思えないほどの手応えを感じ、以来共演を重ねることに。

 Hakuju Hallなどで継続的におこなっているリサイタルは、演奏機会の少ない珍しいレパートリーを含む、他のデュオとはひと味違った選曲が特徴的。笹沼さんがパリの上田さんを訪ねたときに、二人で図書館で楽譜を探して、一緒に新曲の譜読みをする時間もまた、楽しいひとときなのだそうです。

Tatsuki Sasanuma

 今回リリースするデュオとしてのファーストアルバムは、R.シュトラウスとプロコフィエフのチェロ・ソナタを軸に、グラズノフ、ラフマニノフを組み合わせたプログラム。室内楽の分野で百戦錬磨の上田さんと、高音での独特のカンタービレや抜群のリズム感を聴かせる笹沼さんの息ぴったりな対話が楽しい1枚です。インタビューの詳細は、ぶらあぼ9月号(8/18発行)に掲載予定。どうぞお楽しみに。

文&写真:編集部

【CD Information】
夜と光の出会うところ
笹沼 樹〈チェロ〉 & 上田晴子〈ピアノ〉

R. シュトラウス: チェロ・ソナタ ヘ長調 Op. 6
A. グラズノフ: 吟遊詩人の歌 Op. 71
S. ラフマニノフ: サロンの小品 Op. 6
S. ラフマニノフ: ヴォカリーズ Op. 34, No. 14
S. プロコフィエフ: アダージョ 「シンデレラ」より Op. 97 bis
S. プロコフィエフ:チェロ・ソナタ ハ長調 Op. 119
S. ラフマニノフ: ロマンス(リート)

コジマ録音 ALM-7311 ¥3,300
2025.8/7発売
https://kojimarokuon.com