ばらのまち福山国際音楽祭2025が5月22日開幕

シュトラウスから弦楽、声楽、吹奏楽まで——市内各所を国内外の一流アーティストが巡る

 広島県福山市を中心に2018年から続く「ばらのまち福山国際音楽祭」。2025年は世界バラ会連合が3年に1度開催する「世界バラ会議」の福山開催を記念する特別の機会となる。5月22日〜25日の音楽祭期間中、リーデンローズ大ホールの注目3公演を紹介しよう。

 先ずは23日の「オープニング・ガラ・コンサート」。福山を本拠とする能の家元「大島能楽堂」の出演で幕を開け、メインディッシュはオーストリアの音楽の都から来日する「ウィーン・ヨハン・シュトラウス・ヴィルトゥオーゾ」。ヴィニシウス・カッターが指揮、ジェニファー・ラリーのソプラノ独唱を交え、今年が生誕200年にあたるワルツ王ヨハン・シュトラウスⅡ世の作品を中心に演奏し、総合プロデューサーの池辺晋一郎(作曲家)がナビゲーターを務める。

大島能楽堂
ウィーン・ヨハン・シュトラウス・ヴィルトゥオーゾ
ジェニファー・ラリー

 24日は「アーティスト・イン・コンサート」。前半は日本を代表する弦楽器の指導者、原田幸一郎(東京クヮルテットの初代第1ヴァイオリン奏者)と周防亮介、南紫音(以上ヴァイオリン)ら今をときめく門下生で組織した「ローズ・ストリング・アンサンブル」と2024年の第93回日本音楽コンクールで第1位を得たピアニスト、竹田理琴乃の共演でモーツァルト。後半は世界的アンサンブル、タカーチ弦楽四重奏団のドヴォルザークほかを聴く豪華な二本立てコンサートだ。

左上より:原田幸一郎 ©堀田力丸/周防亮介 ©JUNICHIRO MATSUO/南紫音 ©Kei Uesugi/竹田理琴乃/タカーチ弦楽四重奏団

 25日は「ローズ・コンサート」。第1部はソプラノの小林沙羅がピアノの河原忠之と、ばらにちなんだ歌の数々を披露。第2部は日米で活躍する指揮者、原田慶太楼と播磨国吹奏楽団がリヒャルト・シュトラウスのオペラ《ばらの騎士》の名旋律などを演奏する。

左より:小林沙羅/河原忠之/原田慶太楼
播磨国吹奏楽団

文:池田卓夫

ばらのまち福山国際音楽祭2025
2025.5/22(木)~5/25(日)
ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ、神辺文化会館、沼隈サンパル、西部市民センター、新市交流館 他


オープニング・ガラ・コンサート
5/23(金)19:00 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
出演

大島能楽堂(能舞)、ヴィニシウス・カッター(指揮)、ウィーン・ヨハン・シュトラウス・ヴィルトゥオーゾ、ジェニファー・ラリー(ソプラノ)、池辺晋一郎(ナビゲーター)
曲目
J.シュトラウスⅡ世:喜歌劇《こうもり》序曲、ワルツ「皇帝円舞曲」、ワルツ「南国のバラ」、「トリッチ・トラッチ・ポルカ」 他

アーティスト・イン・コンサート
夢のアンサンブルによる一期一会

5/24(土)18:00 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ

Ⅰ.竹田理琴乃&ローズ・ストリング・アンサンブル
出演

竹田理琴乃(ピアノ)、原田幸一郎(指揮)、ローズ・ストリング・アンサンブル
曲目
ショパン:バラード第2番、モーツァルト:ピアノ協奏曲第13番 ハ長調 K.415 他
Ⅱ.タカーチ弦楽四重奏団
曲目

ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調「アメリカ」 他

ローズ・コンサート
5/25(日)13:00 ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ
出演

松井俊輝(ピアノ、福山市立福山高等学校)
Ⅰ.Soprano en Rose ~ばらに包まれて~
出演

小林沙羅(ソプラノ)、河原忠之(ピアノ)、池辺晋一郎(ナビゲーター)
曲目
シューベルト:野ばら D.257 ほか
Ⅱ.ばらの風が運ぶ音楽会
出演

原田慶太楼(指揮)播磨国吹奏楽団
曲目
R.シュトラウス:《ばらの騎士》 ほか

問:ばらのまち福山国際音楽祭実行委員会事務局084-928-1117
https://fukuyama-music-fes.jp