春のうららかな空気の中、身近な会場で上質のアンサンブルを

演奏後の「楽器体験コーナー」には地元の子供が大勢参加する
毎年春、「クラシック音楽の輪を芦屋から世界へ」というスローガンのもと、優れた室内楽の演奏を聴かせてくれる芦屋国際音楽祭。5回目の今年は「ウィーンに集う、時代を超えた音楽の煌めき」をテーマとして、古今のウィーン音楽を中心に、計6公演が開催される。

芦屋市出身で、現在ベルリン・コンツェルトハウス管の第1コンサートマスターとして活躍する芸術監督・日下紗矢子の呼びかけで、毎回世界でも指折りの名手が集まる。今年はベルリン・フィル首席ヴィオラの清水直子とベルリン・コンツェルトハウス管・副首席チェロのアンドレアス・ティムが中心となる。オープニングコンサートは、日下と二人の弦楽三重奏曲で、若きベートーヴェンのセレナーデとモーツァルト晩年の傑作ディヴェルティメント。それに名オーボエ奏者・吉井瑞穂が加わって、珍しいハンス・ガルのオーボエ三重奏曲という、なんとも魅力的なプログラムで開幕する。クロージングコンサートは、若き俊英・毛利文香(ヴァイオリン)と横坂源(チェロ)が入って弦楽五重奏となり、滅多に聴けないディッタースドルフとシューベルトの不朽の名作を演奏する。ほかにウェーベルンとダーヴィト・ポッパーの曲もある。これもファン垂涎の作品ばかりで、聴き逃がせない。

この他、日下の弾くバロック・ヴァイオリンと荒木紅のチェンバロによるバロック・プログラム、すべての曲に日下知奈(ピアノ)の入った二重奏・三重奏・四重奏の演奏会も面白そうだ。日下とスーパーキッズ・オーケストラによる「子供のためのコンサート」もある。室内楽マスタークラスや講師と受講生によるコンサートもあり、全員によるメンデルスゾーンの八重奏曲は、ぜひ聴いてみたい。今から楽しみな音楽祭だ。
文:横原千史

名建築ヨドコウ迎賓館での公演は大人気

第5回芦屋国際音楽祭 〜ウィーンに集う、時代を超えた音楽の煌めき〜
2025.4/6(日)〜4/13(日)

芸術監督:日下紗矢子(ヴァイオリン)
出演:毛利文香(ヴァイオリン) 清水直子 (ヴィオラ) アンドレアス・ティム(チェロ) 横坂源(チェロ) 吉井瑞穂(オーボエ) 荒木紅(チェンバロ) 日下知奈(ピアノ) スーパーキッズ・オーケストラ
室内楽マスタークラス~講師と受講生によるコンサート
4/6(日)15:00 カトリック芦屋教会
https://ashiya-musicfestival.jp/concert/2025-01/
芦屋サウンドスケープ@ヨドコウ迎賓館 【完売】
4/11(金)14:00 ヨドコウ迎賓館
https://ashiya-musicfestival.jp/concert/2025-02/
オープニングコンサート
4/11(金)19:00 カトリック芦屋教会
https://ashiya-musicfestival.jp/concert/2025-03/
子供のためのコンサート 【完売】
4/12(土)13:00 カトリック芦屋教会
https://ashiya-musicfestival.jp/concert/2025-04/
芦屋サウンドスケープ@芦屋市立美術博物館
4/12(土)18:30 芦屋市立美術博物館
https://ashiya-musicfestival.jp/concert/2025-05/
クロージングコンサート
4/13(日)15:00 カトリック芦屋教会
https://ashiya-musicfestival.jp/concert/2025-06/
問:芦屋国際音楽祭実行委員会 info@ashiya-musicfestival.jp
https://ashiya-musicfestival.jp