世界の主要歌劇場、オーケストラと共演を重ねつつ、2016年の首席指揮者就任以来、東京フィルとともに快進撃を続ける36歳の俊英。同“黄金”コンビでDENONレーベルに残している録音から、遂に昨シーズンにとりあげて絶賛を博したマーラーの“5番”をリリース。2014年発売の“1番”以来のマーラーで、しかも最高の人気作だが今回も期待を裏切らない。マエストロが本作に見出したものは「暗闇や絶望から、光、希望、新たな生命へと至る旅」。冒頭の葬送行進曲から有名なアダージェットを経てフィナーレまで、感情の劇的な起伏が聴き手の心に激しく訴えかけてくる。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2023年11月号より)
【information】
CD『マーラー:交響曲第5番/アンドレア・バッティストーニ&東京フィル』
マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
アンドレア・バッティストーニ(指揮)
東京フィルハーモニー交響楽団
日本コロムビア
COCQ-85613 ¥3300(税込)