ヴィレム・ブロンズ&清水若菜 ピアノ・デュオ・リサイタル

ソロと連弾で紡ぐシューベルトの世界

 深い精神性を湛えた演奏で聴衆を魅了するオランダの名ピアニスト、ヴィレム・ブロンズ。ジュネーヴ音楽院を一等特賞とパデレフスキー記念フィリピネッティ賞を受賞して卒業し、リサイタル活動はもちろん、ベルナルト・ハイティンク指揮コンセルトヘボウ管など世界の一流楽団と共演を重ねてきた。その一方で、室内楽活動や教育活動にも力を注ぎ、2003年にはオランダ王室から叙勲。1982年に初来日し、96年からは毎年わが国を訪れ、ステージのみならず、公開レッスンやレクチャーを通じて、後進の指導にも努めている。
 今回は彼の愛弟子である俊英・清水若菜と、オール・シューベルト・プログラムで臨むデュオ・リサイタル。清水は13歳の時にブロンズのマスタークラスに初参加、現在はアムステルダム音楽院修士課程でさらなる研鑽を積んでいる。今回は、ソナタ第19番を清水が、同第20番をブロンズがそれぞれソロで弾き、連弾で幻想曲ヘ短調(D940)を披露。師弟ならではの、温かさと厳しさに満たされたステージになりそう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年11月号から)

11/21(金)19:00 Hakuju Hall
問:プロアルテムジケ03-3943-6677 
http://www.proarte.co.jp