名手たちが集い、巨匠への想いを捧ぐ
昨年7月に世を去った名フルート奏者、金昌国の追悼演奏会が6月15日、紀尾井ホールにて開催される。金昌国はフルート奏者としての演奏活動のみならず、アンサンブル of トウキョウの創設や、神戸国際フルートコンクールの設立に携わるなど、音楽界に大きな足跡を残した。今回の追悼演奏会では故人ゆかりの名演奏家たちが国内外から集まり、アンサンブル of トウキョウとともにその業績を偲ぶ。
モーツァルトのフルート四重奏曲第1番および第3番では、それぞれフルートをN響首席奏者の甲斐雅之、ソリストとして活躍する高木綾子が演奏。小林美恵のヴァイオリン、大野かおるのヴィオラ、河野文昭のチェロと共演する。金昌国が初演したユン・イサンのエチュード第5番で独奏を務めるのは韓国のユン・ヘリ。ドイツの名オーボエ奏者インゴ・ゴリツキは大林修子のヴァイオリンとの共演で、バッハの「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」より演奏する。フィンランド放送響首席奏者であり第6回神戸国際フルートコンクール第1位の小山裕幾も、金昌国の薫陶を受けた奏者のひとり。エマヌエル・バッハのフルート協奏曲 ト長調でソロを披露する。バッハのブランデンブルク協奏曲第4番では、フルートのイ・ソヨンと萩原貴子、ヴァイオリンの玉井菜採がソリストを務める。
なお、公演は出演者の協力によりチャリティコンサートとして開催され、収益は故人が中心的な役割を果たした神戸国際フルートコンクールに寄付される。
(ぶらあぼ2023年5月号より)
文:飯尾洋一
2023.6/15(木)19:00 紀尾井ホール
問:アンサンブル of トウキョウ事務局045-595-0223
https://www.ensembleoftokyo.com