オペラシアターこんにゃく座の歌役者・大石哲史が歌う、同劇団の代表・音楽監督である萩京子ソング集の第2弾。アルバム表題は朝日新聞に掲載された谷川俊太郎の詩による新作。ソプラノとバリトンの二重唱作品として出発した〈よだかの星〉(宮沢賢治)では、よだか/ひばり/鷹/川せみ/お日さま/星座たち…と各キャラクターを“ひとりかたりオペラ”として歌い分けるのが圧巻。女声三部合唱曲として書かれた〈虹〉(石垣りん)も見事だが、同劇団が難病の少女に贈った〈ねむり〉(まど・みちお)には、生きとし生けるものすべてが心を掴まれるはず。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2022年8月号より)
【information】
CD『大石哲史 萩京子を歌うⅡ ある墓碑銘/大石哲史&服部真理子&中田有』
萩京子:ある墓碑銘、よだかの星、千年ほど…、明るいほうへ、小さな草、ねむり、雨、地球よ廻転を止めろ、今日は一日…、餞(はなむけ)、虹、わたしの好きな歌
大石哲史(うた/ピアニカ)
服部真理子(ピアノ)
中田有(チェロ)
コジマ録音
ALCD-7281 ¥3080(税込)