【SACD】グラシア/デュオ・パッシオーネ

 10年以上も共演を重ねてきたヴァイオリニストとギタリストによる鮮烈なユニットのデビュー盤。この編成で演奏されることの多い、アルゼンチンの作曲家プホールの「ブエノスアイレス組曲」を皮切りに、南米・スペイン音楽からバルトークの民俗舞曲までを4+6の10弦が艶やかに紡ぐ。編曲はまさに千変万化と言うべきで、すでに存在するヴァイオリン・パートをそのまま使用し伴奏をギターに代えたり、その逆もあったりと、奏者それぞれのアイディアが“煌めく二筋の光”の如く華麗に交錯。「オブリビオン」から始まる、聴き慣れていたはずのピアソラ名曲3連発も圧巻。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2022年3月号より) 

【information】
SACD『グラシア/デュオ・パッシオーネ』

プホール:ブエノスアイレス組曲/ファリャ(ラゴスニック/クライスラー/河野智美編):歌劇《はかなき人生》第2幕より〈スペイン舞曲第1番〉/バルトーク(レヴァリング編):ルーマニア民俗舞曲/ピアソラ:オブリビオン(啼鵬/河野編)、タンティ・アンニ・プリマ、天使のミロンガ 他

デュオ・パッシオーネ
【礒絵里子(ヴァイオリン) 河野智美(ギター)】

アールアンフィニ
MECO-1069 ¥3300(税込)