新しいオペラ・プロジェクトの幕開け
藤沢市民オペラが生まれ変わった。1973年に藤沢市民会館開館5周年事業として始まった藤沢市民オペラは、アマチュアのオーケストラと合唱を福永陽一郎や畑中良輔といった指導者たちが牽引。プロの歌手たちを迎えながら、2013年までの40年間に22のプロダクションを生み出してきた。
この伝統を保ちつつ、15年度からは3年間を1シーズンとする新たな枠組みがスタートした。まず、その第1サイクルとなる2015〜17シーズンの芸術監督に、今最も注目される日本人オペラ指揮者・園田隆一郎が就任。そして、従来5年に2回というやや変則的なペースで開催されてきた市民参加のオペラ公演を、3年に1度に固定。そこに至る2年間に、1年目は外部オペラ・カンパニーの招聘、2年目は演奏会形式と、毎年欠かすことなく、変化のあるオペラ公演を楽しめるシステムになった。
その第1弾が、藤原歌劇団を招聘してのプッチーニ《蝶々夫人》。粟國安彦演出による美しい名舞台に、題名役の佐藤康子、ピンカートンの西村悟、シャープレスの堀内康雄ら、実績十分の豪華な顔ぶれが揃った。これを皮切りに、今年10月の演奏会形式のロッシーニ《セミラーミデ》、そして2017年11月の粟國淳演出による第23回藤沢市民オペラ、プッチーニ《トスカ》(現在ソリスト・オーディションの受付中。1/24まで)が続く3年間。指揮はすべて園田隆一郎だ。新たな展開が頼もしいオペラのまち・藤沢に注目。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年2月号から)
2/27(土)14:00 藤沢市民会館
問:藤沢市みらい創造財団 芸術文化事業課0466-28-1135
http://f-mirai.jp/arts