アーティストメッセージ(32)〜久保田 巧/角田鋼亮

C)藤本史昭


久保田 巧(ヴァイオリン)

 新型コロナの影響で3月後半から家でのレッスンができなくなりました。再開したら、3密を避け、風通し良く・・・? さあ、困った。今まで30年くらいの間の演奏会などの資料と思い出がぎっしり詰め込まれた部屋は、いつの間にか飽和状態、そう、とても風通しの悪い部屋になってしまっていたのです。しばらくは誰も訪ねて来ないので、あれこれ次々に引っ張り出し、整理を始めたら、今までどんなに多くの方々に出会い、チャンスに恵まれて来たのか、改めて感謝でいっぱいになりました。残すものは文明の利器を駆使してアナログからデジタルへ。まだまだやっと半分くらいですが、レッスン再開までにはすっきり、風通しのいい部屋にしたいと日々、格闘しています。そして自分の頭の中も風通しよく、しっかりこれからのことを考えられるようになりたいものです。
 
 来年春、久しぶりに自主リサイタルをします。どうか皆さんと音楽の素晴らしさを分かち合える時が来ますように。

 

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C)Hikaru Hoshi

角田鋼亮(指揮)

 久しぶりにピアノと向き合う毎日。昔よく弾いていた作品を弾いてみると、その頃の自分が蘇ってきます。この和音が好きで、壊れたテープのように何度もその和音を弾いていたなとか、難しい箇所は鍵盤から手を羽ばたかせ指揮して誤魔化していたなとか、「ベートーヴェンの気持ち。」とか言って頭を掻き毟ってから弾いていたなとか。一瞬であぶない青年に戻れて、楽しいものです。
 その他、買っただけで満足していた本の読書、パソコンの画面の向こうの先生の真似をしているのに、いつからか全然違うポーズになっているヨガ、など。。。こんな期間がなければ出来なかったであろう事を楽しんでいます。

 最近ではYouTubeにご縁がありました。『子ども達と東京フィルが「運命」を本気でリモート演奏したみた!』というものと、常任指揮者を務めているセントラル愛知交響楽団の公式チャンネルです。宜しければ是非ご覧下さい。
 今は人と音楽に飢えています。これからもオンラインでもオフラインでも沢山の方々と素晴らしい音楽を共有できますように。