ユリシーズ弦楽四重奏団

 近年は世界中で若手中心の優秀かつ個性的な弦楽四重奏団が続々とあらわれており、常に演奏スタイルがアップデートされる刺激的なジャンルとなっている。この6月、神奈川芸術文化財団芸術総監督の一柳慧がプロデュースする公演では、そういった新進団体の最先端と目される、アメリカのユリシーズ弦楽四重奏団が紹介される。
 同団の結成は2015年夏。活動歴はまだ浅いものの、アグレッシヴで濃密な演奏を武器に、翌16年にはインディアナ州で開催されたフィショフ室内楽コンクールでグランプリと金メダルを同時受賞と、早くもその実力が認められている。一柳は「最近の若い演奏家は、作品に対して新しい意識や姿勢でのぞみ、より自覚をもった自らの表現を大切に演奏しています。今回ニューヨークから来日するユリシーズ弦楽四重奏団も、音楽の内容への自主的・能動的なかかわりを重視し、聴く者に新鮮な聴取体験を与えてくれます」との旨コメントしている。
 今回2公演が行われるが、『オール・アメリカン・プログラム』では、ライヒの名作にして問題作「ディファレント・トレインズ」をメインに4人の実力を披露。『スペシャル・コンサート with フレンズ』の日には、ヴィオラ奏者・指揮者としてアメリカで長く活動している大山平一郎が加わってのベートーヴェンに、一柳の信頼も厚い名ピアニスト飯野明日香とのショスタコーヴィチと、日本の名手との融合で新たな境地を聴かせる。「美しい日本の文化に触れ、素晴らしい聴衆の皆様と出会えることを楽しみにしています」と第1ヴァイオリンのクリスティーナ・ブーイは思いを語る。
文:林 昌英
(ぶらあぼ 2017年6月号から)

オール・アメリカン・プログラム(ディスカッション付き)
6/11(日)15:00
スペシャル・コンサート with フレンズ
6/17(土)14:00
神奈川県民ホール(小)
問:チケットかながわ0570-015-415
http://www.kanagawa-kenminhall.com/