ミシェル・ベロフ(ピアノ)

フランス音楽の大切な“心”

 ミシェル・ベロフが、得意とする近現代フランス音楽を集めたプログラムとともに来日する。ピアノファンにとって、実に楽しみな公演だ。
 1950年、フランスに生まれたベロフは、若き日からメシアンと交流を持ち、17歳で第1回オリヴィエ・メシアン国際ピアノ・コンクールに優勝。その後19歳で録音したメシアンの「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」が高く評価され、注目を集めた。卓越したリズム感と鋭い感性を持ち、さまざまな近現代作品を得意としているが、やはり中でもフランスものの解釈には定評がある。
 今回は、フランス近現代音楽の流れを辿るようなプログラムが用意されている。前半はフォーレのノクターンで始め、彼の弟子だったラヴェルがパリ国立音楽院在学中に師に捧げた「水の戯れ」などの若き日の作品、そしてドビュッシーを演奏する。後半では、卓越したオルガン奏者だったフランクとメシアンを集め、「神秘的で確かな構造を持った作品をあわせて聴くことは興味深いはず」と語る。円熟期を迎えて奏でる「幼子イエスに注ぐ20のまなざし」(第19番・第20番)にはおのずと期待が高まる。
 ベロフは長らく母校のパリ国立高等音楽院で教授をつとめており、フランス音楽の核心を継承する指導者としても重要な存在だ。昨年は門下のチョ・ソンジンがショパン国際ピアノコンクールで優勝したことも話題となった。フォーレに始まり、メシアンで閉じる今回のプログラムで、ベロフは自身まで脈々と受け継がれたフランス音楽の大切な心を、存分に披露してくれることだろう。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年3月号から)

3/17(木)19:00 すみだトリフォニーホール
問:パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831
http://www.pacific-concert.co.jp