
右:水野斗希 ©Ayane Shindo
11月に大田区民ホール・アプリコで行われる、日本フィルによる「フレッシュ名曲コンサート」は、この上なく公演名にふさわしいプログラムだ。注目はヴァンハルのコントラバス協奏曲でソリストを務める水野斗希。東京藝術大学在学中の2023年に第21回東京音楽コンクール弦楽部門第1位、すぐにプロ楽団のゲストトップに呼ばれて重要なソロも披露。広く話題になりはじめた今年、早くも東京都交響楽団の首席奏者に就任。逸材とは彼のためにあるような言葉だろう。「フレッシュ」でありながらすでにトップを走る水野のコンチェルト、いまこそ体験しておきたい。
藤岡幸夫がベートーヴェン「エグモント」序曲とモーツァルト「ジュピター」交響曲を聴かせるのも楽しみなポイント。豊麗なサウンドで古典派の楽曲を味わえる機会は貴重になりつつあるが、藤岡と日本フィルであれば、その方向性での充実の演奏への期待がふくらむ。「古典名曲」のもつ大きなパワーを改めて体験したい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2026年9月号より)
フレッシュ名曲コンサート
日本フィルの「ジュピター」~天才モーツァルトが残した最後の交響曲~
2026.11/8(日)14:00 大田区民ホール・アプリコ
問 大田区文化振興協会03-3750-1555
https://www.ota-bunka.or.jp

林 昌英 Masahide Hayashi
出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。
