The Trio 〜ヨーロッパと江戸の融合〜 2022

和洋異色トリオの独創的な音色を味わう

左より:山形由美、常磐津文字兵衛、菅野潤 (c)岡本卓也

 フルート、ピアノ、中棹三味線というユニークなアンサンブル「The Trio」誕生には縁と偶然が重なった。最初は、フルートの山形由美が藝大時代の同級生、五世常磐津文字兵衛の中棹三味線による洋楽的な演奏に興味を持ち、共演をもちかけたことに始まる。一方で、常磐津はある文化サロンでピアノの菅野潤と親しくなる。菅野は同じ事務所の山形のCDやツアーに、ピアニストとして以前から参加していた。ある時、3人は偶然その文化サロンで出会い、不思議な縁にすっかり意気投合した。フルートと三味線はどちらもメロディー楽器、和音を奏でるピアノが加われば、アンサンブルができる。早速菅野に提案し、The Trioの結成となった。

 The Trioは、2019年にバルセロナ、パリ、ザルツブルクで公演し、大好評を博した。21年トッパンホールで聴いた、The Trio委嘱の松波匠太郎の「トリオ ─フルート、三味線、ピアノのための─」(改訂版日本初演)は、和と洋の見事な調和と、三味線の擬音(ある音に似せて作り出す音)が新鮮だった。

 今回の公演では、大政直人の「三つの恋歌 ─フルート、三味線、ピアノのための─」(委嘱・初演)が予定されている。The Trioならではの独創的な音楽を楽しめるだろう。ヴォーン・ウィリアムズのバレエ組曲は山形由美デビュー30周年記念CDにも収録されている4曲からなる夢想的な作品。ピアノは菅野潤が受け持つ。五世常磐津文字兵衛作曲の詩曲「コヒノオモニ」(初演)は、タイトルからして興味津々、果たしてどんな作品だろう。聴いてのお楽しみとしたい。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2022年12月号より)

2022.12/14(水)19:00 紀尾井ホール
問:コンサートイマジン03-3235-3777 
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