ショパンの愛した音色を求めて
バロックから現代までの多彩なレパートリーを誇り、国内やヨーロッパにおいて幅広い演奏活動を展開しているピアニストの藤井亜紀、そして東京都交響楽団の副首席奏者を務める傍ら室内楽やソロ活動にもいそしむチェリスト、江口心一の共演による「オール・ショパン・デュオ・リサイタル」が開催される。
まずは藤井のソロによってエチュード、ノクターン、マズルカ、ポロネーズ、ワルツ、バラードの中から選りすぐりの傑作が披露された後、江口も参加して作曲家が20歳の頃に作曲したチェロとピアノのための「序奏と華麗なるポロネーズ」および晩年のチェロ・ソナタop.65が取り上げられる。
ショパンのピアノ・ソロ曲によるリサイタルは数あれど、この作曲家がピアノに次いで愛した楽器であるチェロによる室内楽作品が同時に披露されることは意外にも稀有だ。そもそも書法的にいささか晦渋な面はあれど紛れもない傑作であるチェロ・ソナタは、難曲ゆえかあまり実演の機会に恵まれない。本年2月に素晴らしいショパンのエチュード集CDをリリースした藤井のソロとチェロ作品もあわせて堪能できる本リサイタル、ショパン好きなら聴き逃しなし!
文:藤原聡
(ぶらあぼ2021年12月号より)
2021.12/9(木)14:00 18:30 日経ホール【配信あり】
問:日経公演事務局03-5227-4227
https://stage.exhn.jp
https://stage.exhn.jp/stream/(アーカイブ配信)