“今を生きる喜び”を歌うソプラノが1995年にニューヨークの名門スタジオでオーケストラと録音したデビュー盤の嬉しい再発。近年は自作曲など日本語の歌にも定評がある彼女だが、ここでは20世紀米国音楽を瑞々しい歌唱で紡ぐ。クラシックの優れた歌い手にしてM.ブリッツスタインやS.シュワルツ、V.ハーバートらが書いたブロードウェイの宝石たちを輝かせるスタイルは圧巻。愛するバーンスタイン作品はとりわけ素晴らしく、超絶技巧の人気曲やよく知られた名曲も見事だが〈So Pretty〉(※I feel prettyとは別もの)や〈A Julia de Burgos〉〈Dream with Me〉ら知られざる佳曲が最高!
文:東端哲也
(ぶらあぼ2021年9月号より)
【information】
CD『MANHATTAN DREAM on Broadway/柴田智子』
メンケン:Beauty and the Beast/ブリッツスタイン:I wish it so/バーンスタイン:Piccola Serenata、A Julia de Burgos、So Pretty、Dream with Me、Tonight、Somewhere/シュワルツ:With You/ロイド=ウェッバー:Think of Me 他
柴田智子(ソプラノ)
ロブ・フィッシャー(指揮/ピアノ)&オーケストラ
ユニバーサルミュージック
DCT-3329 ¥2500(税込)