東京文化会館 バースデーコンサート

“音楽の殿堂”開館60周年を記念する演奏会めざして制作進行中!

東京文化会館 大ホール

 2度目の緊急事態宣言下(本稿執筆時点)、まだまだ公演の中止・変更が続いている。そんな中、4月の「東京文化会館 バースデーコンサート」が、諸々の困難を乗り越えて開催される運びになった。

 東京文化会館の開館は1961年。昭和の東京オリンピックの3年前から現在に至るまで、日本を代表する音楽拠点であり続けている。開館60周年を迎える4月7日の“バースデー”には、前半は藤村実穂子による「ヴェーゼンドンク歌曲集」ほか、そして後半はドヴォルザークの「新世界」という重厚にして華やかな記念コンサートとなる模様。藤村はいまやドイツものにおいて世界最高のメゾソプラノのひとり。深い歌唱が聴けるのは何より嬉しい。オーケストラは当館を拠点とする東京都交響楽団。最高の機能性はもちろんのこと、ホールの響きも知悉した、この場に最もふさわしいオーケストラだ。指揮は佐渡裕という情報も入ってきた。

 思い起こせば、2011年の「50周年バースデーコンサート」は、東日本大震災の影響で中止されていた(同年秋の「50周年記念フェスティバル」は無事に開催された)。その10年後の節目の日も困難な状況で迎えるが、内容変更はあったとしても、“それでも実現する!”という覚悟こそが、「音楽の殿堂」を自負する東京文化会館の矜持でもあるだろう。無事の開催を心から望む。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2021年4月号より)

2021.4/7(水)19:00 東京文化会館
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 
https://www.t-bunka.jp
※詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。