紀尾井ホール開館25周年記念 室内オーケストラ・フェスティヴァル

世界の精鋭集団が名技を競う!意欲的な企画が実現

 それまで室内オーケストラにふさわしい中規模音楽専用ホールがなかった東京に、800席の紀尾井ホールが誕生したのは、1995年のことであった。それと同時に紀尾井シンフォニエッタ東京(現・紀尾井ホール室内管弦楽団)が創設された。
 紀尾井ホールは、2020年度に開館25周年を記念して、このホールに最も適した編成といえる室内オーケストラをフィーチャーした、「室内オーケストラ・フェスティヴァル」を開催する。

 フェスティヴァルの開幕に登場するのは、川瀬賢太郎&オーケストラ・アンサンブル金沢。モーツァルトの序曲集とピアノ協奏曲第23番(独奏:菊池洋子)に、細川俊夫のモーツァルトへのオマージュであるピアノ協奏曲的な作品、「月夜の蓮」を組み合わせた、興味津々のプログラム(7/17)。

 ヴァイオリンの名手、リチャード・トネッティ率いるオーストラリア室内管弦楽団の来演も楽しみ。ベートーヴェンとヤナーチェクの2つの「クロイツェル」をトネッティ自身による編曲を並べた意欲的な選曲を披露する(10/7)。

 古楽ではイル・ポモドーロがチェンバロのフランチェスコ・コルティとともに初来日。バッハのチェンバロ協奏曲などが予定されている(2021.1/17)。

 フェスティヴァルの最後を飾るのは紀尾井ホール室内管弦楽団。ウィーン・フィルのコンサートマスターとして活躍、紀尾井ホール室内管の首席指揮者も兼務するライナー・ホーネックの指揮で、彼の十八番であるシューベルトの「未完成」交響曲、シュトラウス・ファミリーのワルツなどを楽しむ(1/23,1/24)。
文:山田治生
(ぶらあぼ2020年4月号より)

*新型コロナウィルス感染症の感染拡大を考慮し、一部公演に開催の中止が発表されております。
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。

2020.7/17(金)19:00、10/7(水)19:00、2021.1/17(日)15:00、1/23(土)16:00、1/24(日)14:00 紀尾井ホール
問:紀尾井ホールチケットセンター03-3237-0061 
https://kioihall.jp/chamberorchfes/