第114回 スーパー・リクライニング・コンサート 菊本和昭(トランペット)

トランペットの醍醐味を身近に味わう絶好機

菊本和昭 ©武藤 章
菊本和昭 ©武藤 章

 NHK交響楽団の首席奏者として圧倒的な存在感を示す菊本和昭。彼はいまソロ演奏を聴きたい日本人トランペット奏者の筆頭格と言えるだろう。日本音楽コンクール第1位やエルスワース・スミス国際トランペット・ソロ・コンペティション第2位など、内外で華々しい受賞歴をもつ彼は、2004年から7年間京都市響に在籍し、12年から現職にある。N響で魅せる光輝な音色と最高度のテクニック、そして何より柔軟でハイセンスな表現力から、リサイタルへの期待も十分。その待望の公演が4月にHakuju Hallで開催される。
 おなじみの民謡に基づく超絶技巧曲「ヴェニスの謝肉祭」、静寂の世界へ誘う武満徹の「径」、華麗かつ柔らかな同楽器の代表作=ハイドンの協奏曲、高音が煌めく《ラ・ボエーム》の「ムゼッタのワルツ」が並ぶプログラムは、トランペットの魅力を多角的に網羅しており、ピアノも著名演奏家の信頼厚い新居由佳梨だから態勢は万全。約1時間の公演ゆえ、管楽器ファン以外の方も最高峰の妙技にぜひ触れてみたい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年2月号から)

4/22(金)15:00 19:30 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
https://www.hakujuhall.jp