2016年はクァルテットで“初笑い”
「悪魔に魂を売り渡した」とまで語り継がれる19世紀の大ヴィルトゥオーゾ、パガニーニ(Paganini)の名に、“冗談”=「gag」を挟み込んだ大胆不敵なネーミングの「パギャグニーニ(PAGA GNINI)」は、世にも珍しい弦楽四重奏による凄腕パフォーマンス集団。数多の国際コンクールで優勝し名門オーケストラとの共演経験も豊富なリーダー、アラ・マリキアン(ヴァイオリン)を筆頭に、絶妙な掛け合いの4人がステージ狭しと跳び跳ねて爆笑コントを披露しつつ、超絶技巧のテクニックでおもにクラシックの名曲を演奏する。
スペインを拠点にしているので、サラサーテ「カルメン幻想曲」やファリャ「はかなき人生」などはお手の物。ボッケリーニ「メヌエット」やパッヘルベル「カノン」などの名曲たちも仰天アレンジで変容を遂げて登場。モーツァルトや“本家”パガニーニの楽曲に混じって、アイルランドの世界的ロックバンドU2のヒットナンバー「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」や、シャンソン界の異端児セルジュ・ゲンズブールが歌姫ジュリエット・グレコのために書いた小粋なラヴソング「ラ・ジャヴァネーズ」などが飛び出すのも彼らの真骨頂だ。
西日本のみだった2013年の初来日ツアーは既に伝説だが、16年1月に待望の東京公演がBunkamuraオーチャードホールで実現。次から次へと展開する怒濤のプログラムが観客の度肝を抜くこと間違いなし。「ニューイヤーコンサート」で全編“初笑い”は前代未聞!?
文:東端哲也
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)
2016.1/19(火)15:00 19:00 Bunkamuraオーチャードホール
問:キョードー東京0570-550-799
http://www.kyodotokyo.com/pagagnini