エリシュカ&札響のコンビ、遂に東京に登場!
チェコ指揮界の重鎮でありながら、長く国内での演奏活動が中心で旧西側諸国ではその実力が知られていなかったラドミル・エリシュカ。2006年の札幌交響楽団と大阪センチュリー交響楽団(現・日本センチュリー交響楽団)への客演で大きな成功を収めて、日本でも注目されるようになった。08年には早速、札響の首席客演指揮者に就任。その後、NHK交響楽団や東京都交響楽団とも共演した。札響とはドヴォルザークの交響曲第5番から第9番までをライヴ録音するなど強い信頼関係を築き、15年からは名誉指揮者のポストにある。
そんなエリシュカ&札響のコンビが東京に初登場する。プログラムは、前半がエリシュカの故郷チェコの音楽、後半が彼の得意とするチャイコフスキーである。スメタナの連作交響詩「わが祖国」はN響定期でも名演を残した彼の十八番といえるレパートリー。今回は「シャールカ」だけだが、とても楽しみである。ドヴォルザーク「弦楽セレナード」では札響の弦楽セクションの美しさを際立たせ、チャイコフスキーの交響曲第4番ではかつての東欧の“きっちり”とした音楽が聴けそうである。
今回の札響東京公演は1931年生まれのマエストロの至芸を堪能する良いチャンスとなるであろう。札響は、長く尾高忠明に率いられて大きな進化を遂げたが、2015年春に、尾高が音楽監督の任を離れ、ドイツの名匠マックス・ポンマーが首席指揮者に就任した。札響がどのように変わったのかも注目される。
文:山田治生
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)
2016.3/8(火)19:00 サントリーホール
問:カジモト・イープラス0570-06-9960
同一プログラムの他公演
第587回定期演奏会
2016.3/4(金)19:00、3/5(土)14:00 札幌コンサートホールKitara
問:札幌交響楽団011-520-1771
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