ルツェルン音楽祭元芸術監督を迎えた新体制へ
草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルのアーティスティック・アドヴァイザーに、ルツェルン音楽祭元芸術監督のミヒャエル・ヘフリガーが就任することが、2月18日に発表された。1980年にスタートし、日本有数の歴史を誇る同音楽祭。2023年に音楽監督・西村朗が急逝してからは、作曲家の吉松隆(24年)、音楽学者のオットー・ビーバ(25年)を音楽顧問として迎え開催を継続していた。2030年・50回目の節目を前に、組織体制の整備を目指す中での就任となる。

1999年から2025年まで、長きにわたり世界三大音楽祭と称されるルツェルン音楽祭の芸術監督を務めたミヒャエル・ヘフリガー。2003年にはクラウディオ・アバドとルツェルン祝祭管弦楽団を、その翌年にはピエール・ブーレーズとルツェルン祝祭アカデミーを設立、世界的アーティストとの協働を通じて音楽祭の発展に寄与してきた。一方で、日本では「アーク・ノヴァ・プロジェクト」を発足させ、東日本大震災で被害を受けた東北地方の住民のために、移動式のコンサートホールを作り、公演を行うという革新的な取り組みの立役者となった。
ヘフリガーの父で、高名なテノール歌手であるエルンストはかつて草津夏期国際音楽アカデミーの講師を務めていた。そうした縁、そしてこれまでのキャリアで培われてきた世界中のアーティストとのつながりに期待が寄せられ、今回の就任に至ったという。そんな彼が新たな構想として打ち出したのが、「Three Mountains Project」というプロジェクトだ。就任発表と同日に行われた記者会見で、その意図や展望について次のように説明した。

「草津の白根山に加え、高崎の榛名山、そして軽井沢の浅間山をシンボルとして見立て、3つの拠点(草津音楽の森国際コンサートホール、高崎芸術劇場、軽井沢大賀ホール)の特色を活かしながら活動を行います。これらをつなぐことで、これまで音楽祭が培ってきたものを広く展開していくことが狙いです。今年はその出発点として『乾杯コンサート』というものを企画しています。ドイツ出身で、若くして活躍を重ねている女性指揮者のヨハンナ・マラングレさんが指揮する群馬交響楽団のオープニングを中心として、同名のコンサートを高崎、軽井沢でも展開します。将来的には、アーティスト・イン・レジデンス制度の導入や、日本やアジアの音楽、さらにはジャズなど周辺のジャンルを含めたプログラミングも考えていきたいですね」
名アドヴァイザーとともに新たな局面を迎える草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル、その今後に注目したい。

文:編集部
写真提供:草津夏期国際音楽アカデミー事務局
草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル
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