世界で活躍する日本人ダンサーたちが集結
毎年バレエ公演が集中するのが日本の夏。特に今年は、さまざまな切り口で企画されたガラ公演が目立つ。その中でも、昨今のバレエ界の状況を反映しているといえるのが、海外の主要カンパニーで活躍する実力派の日本人ダンサーが集結する、この公演ではないだろうか。
バレエが日本に入って100年余り、今や世界の様々なカンパニーに日本人ダンサーが所属し、プリンシパル、ソリストなどカンパニーの主要ダンサーとして活躍する者も少なくない。個性を生かしながら、さらに成長していくことができるカンパニーで踊り、その国や都市の歴史・文化を肌で感じながら、自身を磨き続けている彼らだが、残念なことに日本で踊る機会には恵まれていない。今回のガラ公演は、彼らが日本で舞台に立つ貴重なチャンスとなる。
総合監修は、オーチャードホール芸術監督の熊川哲也。英国ロイヤル・バレエ団で活躍しながら、日本でのステージを大切にしてきた熊川は、故国の舞台に立つ経験が、才能あふれる若き俊英たちをどれほど鼓舞し、成長させるかを身をもって知っているのだ。
注目されるのは、その演目だ。ロイヤル・バレエ、ウィーン国立バレエ、ボストン・バレエ…、各カンパニーの特徴あるレパートリーはもちろん、日本人のみによる上演は世界初となるフォーサイス振付『精密の不安定なスリル』など、カンパニーを超えた共演も企画されている。
観客にとっても、そしてダンサーにとっても、日本のバレエが新たな局面に向かっていることを実感するガラ公演になるのではないだろうか。
文:守山実花
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)
8/1(土)13:00、8/2(日)13:00 Bunkamuraオーチャードホール
問:Bunkamuraチケットセンター03-3477-9999
http://www.bunkamura.co.jp