【CD】鹿が谷川の流れを慕いあえぐように/Ueno Bass Clef

 気鋭のユーフォニアム奏者・佐藤采香をはじめとする東京藝大出身の俊才たちが結成した低音金管グループのデビューCD。こうしたいわゆる「バリ・テューバ・アンサンブル」(当グループはユーフォニアム2、テューバ2)は、熱心な愛好家以外の一般ファンに新たな音世界を知る楽しみを与えてくれる。本盤は、彼らが5年の活動を通して委嘱し、好評を博してきた若手作曲家の作品中心だが、聴くと豊穣な音楽揃い。新旧の四重奏曲はもとより、テューバのデュオと、佐藤采香編のハイドンや鈴木英史編の「パガニーニの主題による変奏曲」は、とりわけ耳に新鮮だ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2025年10月号より)

【information】
CD『鹿が谷川の流れを慕いあえぐように/Ueno Bass Clef』

ハイドン(佐藤采香編):弦楽四重奏曲第32番「鳥」より第1楽章/山田大:2本のテューバのためのインヴェンション/福丸光詩:鹿が谷川の流れを慕いあえぐように/ラフマニノフ(鈴木英史編):パガニーニの主題による変奏曲 他

Ueno Bass Clef
【佐藤采香 山崎由貴(以上ユーフォニアム) 石丸菜菜 田村優弥(以上テューバ) 】

妙音舎
MYCL-00063 ¥3410(税込)