ユーフォニアムだけで編成された四重奏団。ややもすれば単調に響いてしまうような印象を与えがちなジャンルではあるものの、この若いメンバーによるアンサンブルは、柔らかい響きを巧みに重ね、さらに小気味いい運びで、そんな先入観を軽やかに打ち砕いてくれる。先の展開がなかなか読めない変奏曲に、ショパンのメドレーを折り目正しく奏でていくことで生まれるユーモア。活発な委嘱活動によるものだろう、オリジナル曲だけで編成されている点も評価したい。この楽器の特性を生かすために、委嘱にあたっては細やかなプロセスを経たのではないだろうか。
文:鈴木淳史
(ぶらあぼ2025年9月号より)
【information】
CD『Originals〜コンサート・シリーズ Vol.2/ユーフォニアム四重奏団 OrigAmi』
デドス:オリガミ/石川亮太:ショピニアム/兼松衆:アントラクト/リューディ:ある日本の歌による変奏曲/新川奈津子:マルチレイヤーIII/岩満貴大:イディオムス
ユーフォニアム四重奏団 OrigAmi
【安東京平 牧田有紗 岩満貴大 濱岡雪乃(以上ユーフォニアム)】
妙音舎
MYCL-00062 ¥3410(税込)



