聖夜、大切な人と聴きたい
オルガン連弾と声楽アンサンブルで、温かいヨーロッパの聖夜の雰囲気を愉しめる《MUZAパイプオルガン クリスマス・コンサート》が3年ぶりに復活。ジャン=フィリップ・メルカールトと徳岡めぐみによる連弾では、ラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」から「夜明け」と「無言劇」、デュカの交響詩「魔法使いの弟子」を。管弦楽で聴くのとはまた違った味わいになりそう。そして、松堂久美恵(ソプラノ)や中嶋俊晴(カウンターテナー)、石川洋人(テノール)、小笠原美敬(バス)と、バロックから現代作品まで歌いこなすソリスト陣が加わり、バッハのカンタータ第140番「目覚めよと呼ぶ声あり」やブルーンス「いざ来たれ、異邦人の救い主よ」、フランク「アヴェ・マリア」、クリスマス・キャロルなどを厳かに披露。最後は加藤恭子による打楽器が加わっての、オルガン連弾版によるラヴェル「ボレロ」でダイナミックに締め括る。大切な人と聴きたい、そんなコンサートだ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2013年12月号から)
★12月23日(月・祝)・ミューザ川崎シンフォニーホール Lコード:34751
問 ミューザ川崎シンフォニーホール044-520-0200
http://www.kawasaki-sym-hall.jp/