変革と進化を続けるトロンボーンの巨匠、クリスチャン・リンドバーグが来日!

 “トロンボーンのパガニーニ”の異名をとる歴史的奏者、クリスチャン・リンドバーグがリサイタルを行う。1958年スウェーデンに生まれ、25歳でソロデビューした彼は、極めて稀な“トロンボーン・ソリスト”として活躍を続け、同楽器の世界的名手として長年トップの座に君臨している。

 その魅力の1つは、誰にも真似のできないアクロバティックな技巧とソロイスティックな表現力。ただもう60代後半に達しただけに、その面では毎公演が貴重な機会であり、来日となればまず聴き逃せない。もう1つの魅力は意欲的なレパートリー。この点では今回も自作の日本初演やサンドストレーム作品の世界初演を用意するなど衰え知らず。ロシアものを中心としたアレンジ曲も楽しみだし、同楽器のリサイタルの定番であるシュレクの「大天使ガブリエルの嘆き」が披露されるのも実に嬉しい。さらにはベテラン・ピアニスト、白石光隆とのコンビも磐石。彼の音と演奏は、トロンボーン愛好家以外の音楽ファンも魅了されること請け合い。ここはこぞって足を運びたい。

文:柴田克彦

(ぶらあぼ2025年9月号より)

クリスチャン・リンドバーグ トロンボーンリサイタル
2025.9/17(水)19:00 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
9/19(金)19:00 クレオ大阪東
問:プロアルテムジケ03-3943-6677 
https://www.proarte.jp