【CD】モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」・第36番「リンツ」・ 第40番/タルモ・ペルトコスキ&ドイツ・カンマーフィル

 2000年生まれの若手指揮者のデビュー盤。20代半ばにして、ラトビア国立響の音楽・芸術監督などに就く逸材だ。その彼が首席客演指揮者を務めるドイツ・カンマーフィルを指揮したモーツァルトの3つの交響曲。生まれたときからピリオド演奏が当たり前の世代ならではの加速感でキビキビと動き、そこに自由さも羽ばたかせる。「ハフナー」交響曲は、主題が出るたびに装飾音を加えたりと、ロココ風味全開。第40番は、精悍にして扇情的。「リンツ」交響曲も、若々しい運びのなかに優雅な味わいも。それぞれのメヌエット楽章のトリオでの遊び心に満ちた表現もたまらない。
文:鈴木淳史
(ぶらあぼ2024年7月号より)

【information】
CD『モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」・第36番「リンツ」・ 第40番/タルモ・ペルトコスキ&ドイツ・カンマーフィル』

モーツァルト:交響曲第35番「ハフナー」、同第36番「リンツ」、同第40番

タルモ・ペルトコスキ(指揮)
ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団

ユニバーサル ミュージック
UCCG-45094 ¥3080(税込)