【CD】オーパス109/ヴィキングル・オラフソン

 研ぎ澄まされた技巧をもち、透明感がありつつも多彩なニュアンスに満ちた音色を届けるピアニストのヴィキングル・オラフソン。とくに彼のバッハ演奏はグレン・グールド以来の衝撃を全世界に与えるものとなっている。そんなオラフソンが新たに注目したのがベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30番。本アルバムはこの楽曲を軸に、収録曲をすべてホ長/短調のものにすることで、統一された世界観を作り出しており、それによって改めてオラフソンのタッチの鮮やかさ、色彩の幅広さを感じることができる。新たなベートーヴェン演奏の理想像を見せてくれる内容だ。 
文:長井進之介
(ぶらあぼ2026年1月号より)

【information】
CD『オーパス109/ヴィキングル・オラフソン』

J.S.バッハ:「平均律クラヴィーア曲集」第1巻から前奏曲 ホ長調、パルティータ第6番、フランス組曲第6番より第3曲/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第27番、同第30番/シューベルト:ピアノ・ソナタ第6番

ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)

ユニバーサル ミュージック
UCCG-45131 ¥3300(税込)


長谷川京介 Kyosuke Hasegawa

ソニー・ミュージックにてクラシックCDの企画・制作を担当するプロデューサーとして勤務。
退職後は音楽評論家として活動し、「ぶらあぼ」「音楽の友」「毎日クラシックナビ・速リポ」などにコンサート評や記事を執筆。
コンサート・プログラムやCD解説の執筆も手がける。
ミュージック・ペンクラブ音楽賞選考委員。個人ブログ「ベイのコンサート日記」は年間40万回を超えるアクセスを集めている。