タン・ドゥン(指揮/作曲)Tan Dun, conductor/composer

(C)Feng Hai

世界的に名高いアーティストにして、ユネスコ親善大使でもあるタン・ドゥンは、クラシック音楽、マルチメディア、東西の伝統の枠にとらわれない独創的な作風により、世界の音楽シーンに恒久的な影響をもたらしている。受賞歴は華々しく、グラミー賞、アカデミー賞、グロマイヤー賞、バッハ賞、ショスタコーヴィチ賞はもとより、近年にはイタリアのヴェネツィア・ヴィエンナーレから生涯功労金獅子賞を贈られている。タン・ドゥンの音楽は、世界屈指のオーケストラ、歌劇場、国際音楽祭、ラジオ、テレビでしばしば取り上げられている。2016年、上海ディズニーランドの開業の折にタン・ドゥンが指揮したグランド・オープニング・セレモニーの模様は、全世界に生中継された。

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革新的なプログラムを提供する指揮者として定評のあるタン・ドゥンは、マーラー・チェンバー・オーケストラとNHK交響楽団の中国ツアーを率いた。近年には、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー(ドイツ・ツアー、5都市)やロンドン交響楽団に客演したほか、ヴェネツィア・ヴィエンナーレでも指揮している。現在、中国国家交響楽団の名誉芸術監督の地位にある。次シーズンには、フランス国立リヨン管弦楽団の中国ツアーを率いる予定。これまで指揮した第一級のオーケストラに、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、ロンドン交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、メトロポリタン歌劇場管弦楽団、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、ロサンジェルス・フィルハーモニック、フランス国立管弦楽団、BBC交響楽団、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ローマ・サンタ・チェチーリア国立管弦楽団、メルボルン交響楽団、シドニー交響楽団がある。

作曲家タン・ドゥンの各作品は、国際的に広く聴取されている。GoogleとYouTubeから共同委嘱された、自身初の《インターネット・シンフォニー》は、オンライン上で2,300万もの聴衆を獲得している。オーガニック三部作《水の協奏曲》《紙の協奏曲》《陶器の協奏曲》は、主要なコンサート・ホールや国際音楽祭で頻繁に演奏されている。この《紙の協奏曲》は、ロサンジェルス・フィルハーモニックの演奏により、ウォルト・ディズニー・コンサートホールの杮落とし公演で世界初演された作品である。ヨーヨー・マとボストン交響楽団が初演したマルチメディア作品《ザ・マップThe Map》は世界30か国で演奏され、同曲のオリジナル・スコアはカーネギー・ホールのコンポーザーズ・ギャラリーに所蔵されている。NHK交響楽団によって初演された《オーケストラル・シアターIV:門Orchestral Theatre IV: The Gate》は、中国の京劇、西洋のオペラ、日本の文楽という異文化の伝統を融合させる試みである。このほかタン・ドゥンの主要作品として、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のための《マルコ・ポーロのための4つの秘密の道Four Secret Roads of Marco Polo》、ラン・ランとニューヨーク・フィルハーモニックのためのピアノ協奏曲《火The Fire》が挙げられる。さらに、マルティン・グルービンガーのために書いた打楽器協奏曲 《自然の涙The Tears of Nature》は、2012年にグルービンガーとハンブルク北ドイツ放送交響楽団により初演されている。《女書:女たちの秘密の歌Nu Shu: The Secret Songs of Women ~13のマイクロフィルム、ハープ、オーケストラのための交響曲》は、フィラデルフィア管弦楽団、NHK交響楽団、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団から共同委嘱された作品である。

これまで、ソニー・クラシカル、ドイツ・グラモフォン、EMI、オーパス・アルテ、ナクソスから録音をリリースし、グラミー賞受賞(映画『グリーン・デスティニー(原題:Crouching Tiger, Hidden Dragon)』音楽)、グラミー賞ノミネート(《始皇帝》、《マルコ・ポーロ》、《琵琶協奏曲》)、日本のレコード・アカデミー賞「現代曲部門」(《新マタイ受難曲―永遠の水》)、BBCのベスト・オーケストラ・アルバム賞(《死と炎》)など、名誉ある賞に輝いている。

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