
モントリオール響音楽監督を務め、同団を「フランスのオケ以上にフランス的に」魅力的に育て、世界ツアーやCDで一世を風靡。ほかにもフランス国立管音楽監督、N響音楽監督、宮崎国際音楽祭アーティスティック・ディレクター、フィラデルフィア管首席指揮者を歴任し、欧米の主要オーケストラへ定期的に客演。現在N響名誉音楽監督を務める世界を代表する名匠の一人。
シャルル・デュトワは、五大陸のあらゆる舞台であらゆる主要オーケストラを指揮し、世界中の聴衆をとりこにしてきた、今日もっとも人気のある指揮者の一人である。
現在ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者。フィラデルフィア管弦楽団とは長年にわたって音楽活動を共にしている。もちろんそれだけでなく、シカゴ交響楽団、ボストン交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、ニューヨーク・フィルハーモニック、ロサンジェルス・フィルハーモニックと毎シーズン共演。ロンドン、ベルリン、パリ、ミュンヘン、モスクワ、シドニー、北京、上海といった都市の舞台にも定期的に招かれている。デッカ、ドイツ・グラモフォン、EMI、フィリップス、エラートで録音したCDは200以上に上り、グラミー賞をはじめ数々の栄誉に輝いている。
デュトワは、25年間にわたってモントリオール交響楽団の芸術監督を務め、そのダイナミックな音楽的パートナーシップで世界に知られるようになった。1991年から2001年までフランス国立管弦楽団音楽監督。1996年からはNHK交響楽団常任指揮者を務め、1998年には同団の音楽監督となった。現在は名誉音楽監督。また、フィラデルフィア管弦楽団の夏のシーズンには、サラトガ・パフォーミングアーツ・センター(ニューヨーク州)でのシリーズで21年間、マン・ミュージック・センター(フィラデルフィア近郊)でのシリーズで10年間、音楽監督を務めてきた。
若い世代には常に関心を抱いており、それに関する活動はキャリアの中でも重要な位置を占めてきた。パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)芸術監督および宮崎国際音楽祭アーティスティック・ディレクターを歴任、広州で開かれる広東国際夏季音楽アカデミーでもアーティスティック・ディレクターを務めている。また、2009年にはヴェルビエ音楽祭の音楽監督に就任した。
ヘルベルト・フォン・カラヤンの招きでウィーン国立歌劇場にデビューした時は、まだ20代だった。以来、コヴェントガーデン王立歌劇場、メトロポリタン歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ローマ歌劇場、テアトロ・コロンで指揮している。1991年にフィラデルフィア市名誉市民の称号を与えられ、1995年にケベック国家勲章のオフィシエ(勲二等)、1996年にはフランス政府芸術文化勲章のコマンドール(勲三等)、1998年にはカナダ政府より名誉オフィシエ勲章を受章した。2007年には、故郷ローザンヌ市より金メダルを授与された。また、マッギル大学、モントリオール大学、ケベックのラヴァル大学、カーティス音楽院より名誉博士号を授与されている。
デュトワが受けた音楽教育は非常に多岐にわたり、ジュネーヴ、シエナ、ヴェネツィア、ボストンの音楽学校で、ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノ、打楽器、音楽史、作曲を学んだ。そして、歴史、考古学、政治学、芸術、建築への飽くなき情熱に突き動かされて世界中を旅してきたデュトワがこれまでに訪れた国は、実に196ヶ国にのぼる。