高関健&富士山静岡交響楽団、ブルックナー第5番で2年ぶりの東京公演

高関 健 ©K.Miura

 富士山静岡交響楽団が、首席指揮者・高関健とともに2年ぶりの東京公演を行う。同楽団は、1988年創設の静岡交響楽団を前身とし、2020年に浜松フィルハーモニー管弦楽団との統合を経て現在の体制となった。高関は静岡交響楽団時代の2018年にミュージック・アドヴァイザーに就任し、21年から首席指揮者を務めている。24年の東京公演ではブルックナーの交響曲第8番を披露。今回、11月30日の東京特別公演および同月28日の静岡公演では、同じくブルックナーの交響曲第5番が取り上げられる。

 ブルックナーは、高関が特に熱心に取り組んできた作曲家の一人である。なかでも第5番は、とりわけ巨大で、構築的であり、音の大伽藍に例えられる。高関は、今回の演奏会について、「全曲にわたり対位法やフーガを使いこなし、ベートーヴェンが創りあげた交響曲の形式を限界にまで拡大した複雑な作品にどこまで迫ることができるか。静響と私にとって大きな挑戦となります」と述べている。まさに試金石といえるプログラム。ブルックナーのオーソリティの一人である高関の指揮による交響曲第5番は、進境著しい静響の進化/深化/真価を聴くのに最適な作品であるといえるだろう。

 また、この秋、東京では、ブルックナーの交響曲第5番の演奏会が続く。9月には佐渡裕&新日本フィルが、10月にはマティアス・バーメルト&N響が同曲を取り上げる。それぞれの聴き比べも興味深い。

文:山田治生

(ぶらあぼ2026年10月号より)

高関 健(指揮) 富士山静岡交響楽団 第139回 定期演奏会
【静岡公演】2026.11/28(土)13:30 静岡市清水文化会館 マリナート
【東京特別公演】11/30(月)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問 富士山静岡交響楽団054-203-6578
https://www.shizukyo.or.jp


山田治生 Haruo Yamada

音楽評論家。1964年、京都市生まれ。1987年慶應義塾大学経済学部卒業。雑誌や演奏会のプログラム冊子に寄稿。著書に「トスカニーニ」、小澤征爾の評伝である「音楽の旅人」、「いまどきのクラシック音楽の愉しみ方 」、編著書に「戦後のオペラ」、「バロック・オペラ」、「オペラガイド」、訳書に「レナード・バーンスタイン ザ・ラスト・ロング・インタビュー」などがある。