ネッロ・サンティとN響のシリーズのリマスター盤。「火の鳥」は不気味な序奏で始まり、火の鳥の登場で一気に加速し、ウキウキと胸弾む踊りとなる。姫たちの優雅なホロヴォードからカスチェイの狂暴な踊りまで息もつかせない。リズムの切れ味よく、音色の多彩さも楽しめる。「運命」では、運命動機のフェルマータを長めに取ることで、荘厳さを作り、畳み掛ける主題の緊迫感をいやが上にも高める。緩徐楽章の主題はたっぷりと美しく歌われる。そこに安らぎがある。終楽章への高揚も素晴らしく、圧倒的な勝利の凱歌となる。展開部終わりの頂点形成や加速気味の結びも見事だ。巨匠のワザアリ!!
文:横原千史
(ぶらあぼ2026年10月号より)
【information】
CD『ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」&ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」/ネッロ・サンティ&N響』
ストラヴィンスキー:バレエ組曲「火の鳥」/ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
ネッロ・サンティ(指揮)
NHK交響楽団
収録:2009年11月、NHKホール 他(ライブ)
マイスター・ミュージック
MM-4557 ¥3520(税込)


