【CD】ジルヴィウス・レオポルト・ヴァイスの肖像 /水戸茂雄

バッハと同世代で友人でもあったヴァイスは、650曲以上のリュート独奏曲を残した。この作曲家に近年とくに力を入れて取り組んでいるのが、リュート奏者・水戸茂雄だ。膨大な作品から、彼が今回取り上げたのは、ハーラッハ写本第1巻より組曲ニ短調とドレスデン手稿譜第2巻より組曲イ短調の2曲。後者はプレリュードが欠落しているため、演奏家自らが作曲したものを演奏するという凝りよう。重心はやや低めで、ゆっくりとしたテンポから、さまざまな色彩があふれ、それは濃厚な歌謡となって響く。ニ短調組曲のソナタ楽章、イ短調組曲のサラバンドなどに、その個性が強くうかがえよう。

文:鈴木淳史

(ぶらあぼ2026年10月号より)

【information】
CD『ジルヴィウス・レオポルト・ヴァイスの肖像/水戸茂雄』

S.L.ヴァイス:ローラウ城グラーフ・ハーラッハ伯一族のコレクション第1巻より組曲 ニ短調、ドレスデン手稿譜第2巻より第16番 組曲 イ短調

水戸茂雄(13コース・バロックリュート)

N&S AVANCE
NSCD-54510 ¥3300(税込)


鈴木淳史 Atsufumi Suzuki

雑文家/音楽批評。1970年山形県寒河江市生まれ。著書に『クラシック悪魔の辞典』『背徳のクラシック・ガイド』『愛と幻想のクラシック』『占いの力』(以上、洋泉社) 『「電車男」は誰なのか』(中央公論新社)『チラシで楽しむクラシック』(双葉社)『クラシックは斜めに聴け!』(青弓社)ほか。共著に『村上春樹の100曲』(立東舎)などがある。
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