ガブリエル・リプキン(チェロ)Gavriel Lipkind, cello

1977年、イスラエルでロシア移民の両親のもと生まれる。6歳でチェロを始め、8歳でラジオにデビューを果たす。テル・アヴィヴ大学のルービン音楽アカデミーでウズィ・ヴィーセルに師事した後、フランクフルト音楽大学、カールスルーエ音楽大学、ボストン・ニューイングランド音楽院で学ぶ。1994年ロストロポーヴィチ国際チェロ・コンクール「最も将来性のある若手奏者」賞、1997年レナード・ローズ国際チェロ・コンクール1位無し2位、1998年ミュンヘン国際音楽コンクール入賞など、多くの主要コンクールで優秀な成績を残している。

15歳でズービン・メータ指揮イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団と共演し、その後もミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ボルティモア交響楽団等のオーケストラと、フィリップ・アントルモン、ジュゼッペ・シノーポリ等の指揮者や、ユーディ・メニューイン、ピンカス・ズッカーマン、ユーリ・バシュメット、ギドン・クレーメル等の演奏家と共演を重ねている。

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幼少期より輝かしいキャリアを築いてきたが、2000年、23歳の時にタウヌス山地の村に居を移し、自身の芸術的精神を深めるため3年間の演奏活動休止期間に入った。その成果を結実させたのが2006年にリプキン・プロダクションからリリースした対照的な2枚のアルバムで、自身のアレンジによる小曲集「ミニアチュール&フォークロア」と、〈シングル・ヴォイス・ポリフォニー〉シリーズ第1弾の「J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲集」である。その後も自身による独奏パートの校訂譜を併せた〈チェロ・ヒロイックス〉と題したシリーズで、「シューマン:チェロ協奏曲」(ミシャ・カッツ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア)、「ショスタコ―ヴィチ:チェロ協奏曲第1番」(ヴォイチェフ・ロデク指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア)、「サン=サーンス:チェロ協奏曲第1番」(アントニー・ヘルムス指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア)、「ドホナーニ:チェロと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック」(イヴァン・メイレマンス指揮アーネム・フィルハーモニー管弦楽団)をリリースし、いずれも高い評価を獲得している。

因習を打ち破るチェリストと称され、その表現豊かな音楽性は、世界中の聴衆、音楽家、作曲家から注目を集めている。近年は、ヴァレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団、アントニ・ヴィトおよびミシェル・タバシュニク指揮ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団と共演した。日本ではこれまでに、東京都交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー管弦楽団、京都市交響楽団、群馬交響楽団と共演している。ピアニストのローマン・ザスラフスキーとは長年共演を続けており、2008年からはリプキン・カルテットとしての活動も行っている。レパートリーは委嘱作品や自身のアレンジまで幅広く、室内楽へのアプローチも積極的で、多岐にわたる活動を展開している。

使用楽器は、1702年にボローニャで製作されたアロイシウス・ミケーレ・ガラーニだが、1670~80年代に完成されたツィールホンハイマーと推測されている。

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