
東京交響楽団は10月7日、2027/28シーズン(2027年4月〜28年3月)のラインナップを発表した。2026/27シーズンに第4代音楽監督に就任したロレンツォ・ヴィオッティにとって2年目のシーズン。今年9月には当初2029年3月までだった任期を2034年3月まで延長することが発表されたばかり。さらなる音楽的な深化と飛躍が期待されるなか、2027/28シーズンは両者が一層関係を充実させていく1年となる。
ヴィオッティは定期演奏会、川崎定期演奏会、東京オペラシティシリーズなど7プログラム11公演に出演する(ミューザ川崎主催公演含む)。まず目を引くのは、自身が得意とする声楽付きの大規模作品で、ワーグナー《ローエングリン》(演奏会形式)、ヴェルディ「レクイエム」などが並ぶ。さらにマーラー、ブルックナー、シューマン、シューベルトなど、多彩な作品を披露する。2026/27シーズンは、オーケストラとの関係性の構築を重視し、ソリストの起用を抑えたプログラミングだったが、次シーズンについてもその方向性は継続していく模様だ。
「まだ最初のシーズンの途中ではありますが、楽団員はもちろんのこと、スタッフ、合唱団、すべての方々を心から誇りに思っています。先日の『7つの封印の書』でも、本当に素晴らしい演奏をしてくれました。
次のシーズンも『レクイエム』をはじめ、大きな作品が控えています。音の面でも創造性においても、そしてお互いの信頼という意味でも、今シーズン積み重ねてきたものが、大きな挑戦となる《ローエングリン》へとつながっていきます。
このオペラは、目を閉じて音楽に耳を傾ければ、舞台上の動きがありありと思い浮かぶ作品で、ダイナミックでありながら繊細さも持ち合わせたこのオーケストラにふさわしい演目です」

オーケストラとの関係については、次のように語る。
「就任時の記者会見では、私たちのフレッシュな関係についてお話ししました。しかし2年目は、ある意味で脆さが出やすい危険性を孕んだ年になります。お互いのことが分かってくるからこそ、音楽的な意味での小さなぶつかりが生まれることもあるでしょう。それも関係を深めていくうえで大切なことだと考えています。
そして私の任期も3年から8年へと延びました。長く一緒にいることで、音楽をさらに深く掘り下げ、より高いクオリティを目指すことができる。これからも挑戦を続けていきたいと思います」
ヴィオッティ以外の指揮者では、オスモ・ヴァンスカ、クシシュトフ・ウルバンスキ、パブロ・エラス=カサド、日本人では、太田弦、沼尻竜典、出口大地、原田慶太楼、大友直人、下野竜也らが登場。クリエイティブパートナーに就任した佐藤俊介は、2028年3月にヴィヴァルディのフルート協奏曲「夜」、ハイドンの交響曲第6番「朝」、ベートーヴェンの交響曲第6番「田園」というプログラムを披露する。
ヴィオッティ&東響が、最初のシーズンにおいてすでに披露している音楽的充実が、2年目にいかに深まり進化していくのか。そしてその先には、どのような東響の新しい姿が見えてくるのか。期待は膨らむばかりだ。

写真・文:編集部
東京交響楽団
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